【パーキンソン病の予防効果あり?】パーキンソン病とコーヒーの関係
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コーヒーに関する研究はさまざまありますが、パーキンソン病に関する研究は古くからあるそうです。
コーヒーに含まれるカフェインが、パーキンソン病の発症予防に効果があるという説や、パーキンソン病の患者さまの血中カフェイン濃度が低くなっている等の報告がこれまでに挙がっています。
シンガポール国立神経科学研究所(NNI)は、カフェインを含む飲料(コーヒー、紅茶)を飲む人は全く飲まない人に比べて4-8倍、パーキンソン病を発症しにくいことを報告しています。
また、2024年5月15日には、オランダのユトレヒト大学らの研究グループは、「コーヒーを飲むことがパーキンソン病のリスク低下と有意に関連していた」と発表しました。
なぜ、コーヒーがパーキンソン病のリスク低下と関連するのか。
そのメカニズムは明らかになっていませんが、「カフェイン」が何らかの関係があるのではないかと考えられています。
カフェインは、コーヒーや紅茶などの飲み物や食品に含まれている刺激物質です。
よく知られているのは「覚醒作用」で、眠気覚ましに飲まれることも多いです。
また、ポリフェノールがたくさん含まれていることが知られています。
ポリフェノールは、活性酸素などから体を守る抗酸化作用の強い成分です。
その他、カフェインは、ドパミン神経活動を促す効果があることも分かっています。
このことが、カフェインがパーキンソン病の発症リスクを下げることと関連しているようです。
カフェインは、多くの化学物質が通過できない血液脳関門を通過して脳へ入ることができ、脳を刺激して覚醒作用を発揮しているのではないか、カフェインがドパミン神経の変性を抑制しているのではないか、と考えられます。
また、カフェインの予防効果は、カフェイン摂取量に比例し、コーヒーを多く飲む人の方が、パーキンソン病を発症する確率が少ないそうです。
(※カフェインを含む飲料でも、一定の効果を見込めるそうです。)
ほねつぎデイサービスを始めとした介護施設では、おやつの時間が設けられています。
コーヒー(カフェイン)でパーキンソン病にならないとは断言はできませんが、予防の一環として、ご利用者さまにコーヒーを提供してみても良いかもしれません。
参考:『コーヒーとパーキンソン病』コーヒーと健康インタビュー記事|ネスレ日本