【2024年度介護報酬改定】良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくりについて〈通所介護まとめ〉
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〇基本的な考え
「良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」については、経済情勢の変化に伴う、物価高騰や他業種の賃金引上げ、それによる介護分野からの人材流出が進行する中、介護人材不足の課題に対応しつつ、更なる介護サービスの質の向上を図るため、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向けた先進的な取組を推進する、という観点で改定が行われています。
以下、「令和6年度介護報酬改定に関する審議報告」より通所介護(デイサービス)の改定情報をまとめました。
引用:令和6年度介護報酬改定に関する審議報告|厚生労働省
介護職員の処遇改善
〇介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の一本化
(略)現行の各加算・各区分の要件及び加算率を組み合わせた4段階の「介護職員等処遇改善加算」に一本化を行う。
その際、1年間の経過措置期間を設けることとする。
また、以下の見直しを行う。
・職種間の賃金配分について、引き続き介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとしつつ、職種に着目した配分ルールは設けず、一本化後の新加算全体について、事業所内で柔軟な配分を認める。
・新加算の配分方法について、新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、一番下の区分の加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることを要件とする。その際、それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、収入として新たに増加するベースアップ等支援加算相当分の加算額について、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。
・職場環境等要件について、生産性向上及び経営の協働化に係る項目を中心に、人材確保に向け、より効果的な要件とする観点で見直しを行う。
生産性の向上等を通じた働きやすい職場環境づくり
〇テレワークの取扱い
人員配置基準等で具体的な必要数を定めて配置を求めている職種のテレワークに関して、個人情報を適切に管理していること、利用者の処遇に支障が生じないこと等を前提に、取扱いの明確化を行い、職種や業務ごとに具体的な考え方を示す。
〇人員配置基準における両立支援への配慮
介護現場において、治療と仕事の両立が可能となる環境整備を進め、職員の離職46 防止・定着促進を図る観点から、各サービスの人員配置基準や報酬算定について、以下の見直しを行う。
・「常勤」の計算に当たり、職員が育児・介護休業法等による育児・介護等の短時間勤務制度を利用する場合に加えて、「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合にも、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱うことを認める。
・「常勤換算方法」の計算に当たり、職員が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って事業者が設ける短時間勤務制度等を利用する場合、週30時間以上の勤務で常勤換算での計算上も1(常勤)と扱うことを認める。
〇外国人介護人材に係る人員配置基準上の取扱いの見直し
(略)外国人介護職員の日本語能力やケアの習熟度に個人差があることを踏まえ、事業者が、外国人介護職員の日本語能力や指導の実施状況、管理者や指導職員等の意見等を勘案し、当該外国人介護職員を人員配置基準に算入することについて意思決定を行った場合には、就労開始直後から人員配置基準に算入して差し支えないこととする。
その際、適切な指導及び支援を行う観点、安全体制の整備の観点から、以下の要件を設ける。
・一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制とすること。
・安全対策担当者の配置、指針の整備や研修の実施など、組織的に安全対策を実施する体制を整備していること。
併せて、両制度の趣旨を踏まえ、人員配置基準への算入の有無にかかわらず、研修又は実習のための指導職員の配置や、計画に基づく技能等の修得や学習への配慮など、法令等に基づき、受入れ施設において適切な指導及び支援体制の確保が必要であることを改めて周知する。
〇管理者の責務及び兼務範囲の明確化等
提供する介護サービスの質を担保しつつ、介護サービス事業所を効率的に運営する観点から、管理者の責務について、利用者へのサービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うことである旨を明確化した上で、管理者が兼務できる事業所の範囲について、管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない旨を明確化する。
〇いわゆるローカルルールについて
都道府県及び市町村に対して、人員配置基準に係るいわゆるローカルルールについて、あくまでも厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする必要があること、事業者から説明を求められた場合には当該地域における当該ルールの必要性を説明できるようにすること等を求める。
〇通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和及び評価の見直し
通所介護、地域密着型通所介護における個別機能訓練加算について、機能訓練を行う人材の有効活用を図る観点から、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロにおいて、現行、機能訓練指導員を通所介護等を行う時間帯を通じて1名以上配置しなければならないとしている要件を緩和するとともに、評価の見直しを行う。
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